模範的な条項について教えてください

前項で解説したように、承諾書の法的有効性は、記載内容や作成時の状況によって異なります。内見を勧めても顧客が応じず、契約を締結する意向を示した場合、その判断は顧客自身の意志に基づくものです。業者としてはその意志を尊重するほかなく、適切な調査・説明責任を果たしたうえで、「未内見承諾書」に記載を求め、契約の締結に応じる必要があります。

ただし、「未内見承諾書」のフォーマットは不動産保証協会などから提供されていないため、各社が独自に作成しています。そのため、記載内容に問題がないか不安を抱く業者も多く、筆者にも内容の精査が依頼されます。

多くは契約書の特約条項に関する相談ですが、それ以外にも承諾書、覚書、確認書、同意書など様々な書面について相談を受けることがあります。

その際、宅地建物取引業法、民法、消費者契約法などの観点から法的に問題が生じないよう、記載内容を校正しますが、時に、書面を作成する目的と名称に違和感を覚えることがあります。つまり、書面名称に関する理解が不十分なのです。私たちは、文書の形式や目的を最低限理解しておくことが重要です。以下に、よく作成される文書の違いについて説明します。

◯承諾書:相手方の申し出や提案に対し、その内容を理解し受け入れる意志を示す書面
◯合意書:当事者間で特定の事項について合意した内容を明確にする書面
◯同意書:特定の行為や状況に対して賛成または許可する意志を示す書面
◯覚書:当事者間で合意した内容や確認した事項を、後日のために記録しておく書面
◯確認書:特定の事実や状況を確認し、その内容を記録する書面
◯誓約書:特定の行為を行う、あるいは行わないことを約束する書面

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